増刊号特集 行動する看護師長 これからの臨床看護マネジメントの実践
―チーム医療を強化する―他職種との連携と役割分担のあり方―北里大学東病院のチーム医療から
大西 ひとみ
1
1北里大学東病院看護Ⅰ系科
pp.708-716
発行日 2009年7月26日
Published Date 2009/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101540
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はじめに
安全で良質な医療を効率よく提供するためには,チーム医療は欠かせない。医療従事者がそれぞれの専門性を十分に発揮し連携して働けるような職場環境づくりは,中間管理者である看護師長としても重要な課題である。近年では,医療分業化の職種として欧米で活躍するNP(Nurse Practitioner),PA(Physician Assistant)が紹介され,国内でもNPの養成,制度の検討が始められている。医療に携わる専門職と非専門職が,患者のためにできることをそれぞれの立場から知恵を出し合って,連携をスムーズに実践していくことが望まれる。また,各職種間の役割分担を明確にし,働きやすい仕組みをつくることが重要である。
北里大学東病院(以下,当院)では,1986(昭和61)年の開院時より「チーム医療」を基本方針として掲げており,そのあり方を示すものとして「関連部門との円滑な協力関係のもち方」1)を明文化している(表1)。
また,2007(平成19)年12月に厚生労働省より通知された「医師および医療関係職と事務職員等の間での役割分担の促進について」を受け,他職種間の役割分担を見直し,看護師による静脈注射,事務職員による診断書作成支援などを推進している。
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