連載 病院管理フォーラム
■バランスト・スコアカード
目標管理,部門管理に活かすBSC
池田 吉成
1
1監査法人トーマツ
pp.354-357
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100534
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●マネジメントサイクル
病院全体での取り組みや方針だけでなく,各診療科や看護部,病棟や中央部門の各部などそれぞれの部門で年度方針や部門目標を掲げる病院は多いだろう.ただ,そういった方針や目標をきちんと実行し,着実に成果を出しているかとなるとその数は随分少なくなるように感じられる.そもそもそれらが実行されたかどうかのチェックさえ,なかなかできないこともあるだろう.
当初立てた方針や目標が実行されなかったり,また実行されたとしても思ったより成果が上がらなかったりするのは,多くの場合 PDCA,つまりマネジメントサイクル(図1)がきちんと回せていないことに原因がある.Plan, Do, Check, Action (Assessment/ Adjust)からなる PDCA については,多くの方がその重要性を認識されていると思う.ただ,実際どのようにそれを回せば良いかとなるとピンとこない,という方もいるのではないだろうか.
今,医療機関ではバランスト・スコアカード(以下BSC)への関心が高く,その導入も進んでいる.この BSC は,指標管理の方法論として知られているかもしれないが,PDCA のマネジメントサイクルを回す有用な手法や考え方が含まれている.本稿では BSC を活用してマネジメントサイクルを回すポイントを,Plan, Do, Check, Actionの項目ごとに概説したい.
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