主張
人事考課制度の導入を!
B
pp.925
発行日 1996年10月1日
Published Date 1996/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901927
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多くの病院においては,「1997年度の新入職員採用」も無事に終了し,来年度以降の事業計画に基づいた人事計画の検討が行われていることであろう.「今年の採用者は優秀であった」とか,「今回の採用者をこのように教育してみよう」とか,新入職員に対する病院管理者の熱き期待が感じられる.このような期待は,病院の経営悪化に伴う組織活性化のためであろうが,現状においては小手先の対策では対応が不可能な状況に陥っていることを病院管理者は認識しなければならない.
ところで病院の経営活動であるが,計画された収入の確保とそれに見合う経費のコントロールを行う経営活動は一般企業と同じである.むしろ一般企業に比較すれば,病院の経営は比較的楽であろう.人件費の増加を加味した2年に一度の社会保険診療報酬の改定は,なんら病院として企業努力もせずに収入の確保を可能としているし,医療法,診療報酬体系下に基づく人事配置を行えば人件費相当は確保されており,人事面での積極的な対応を行う必要もなくなっている.大規模な設備投資を行わない限り,企業としての存続は保障されているのである.しかしながらこのような環境はいつまで続くのであろうか.最近の厚生省の医療保険審議会などの各種審議会の経過を見る限りにおいては,このような優遇された環境の継続は期待できないことは明らかである.
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