特集 大卒看護師をどう活用し育成するか
看護系大学を卒業した看護職者の活用・育成に対する看護管理者の意識に関する調査から
(1)看護系大卒者の育成・活用をどうとらえ,どう実践するか
研究班
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1千葉大学看護学部「看護系大学を卒業した看護職者の活用・育成に対する看護管理者の意識」研究班
pp.515-516
発行日 2003年7月10日
Published Date 2003/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100860
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看護学教育の変化から見た調査の必要性
保健・医療の実践現場は,複雑化,多様化しており,社会のニーズとしても資質の高い看護職者が求められている。このことに対応して,近年,看護学教育の大学化が急速に進展している。平成14年度の看護系大学は100校を超え,14年3月の年次別集計によると,その卒業生は4847人に増加し,同じ年次の看護系短期大学の卒業者4874人に迫ろうとしている1)。
このような教育体制の過渡期にあって,医療機関で勤務している看護系大学卒業看護職者(以下,看護系大卒者)の実践能力に関する調査や,受け入れる側の看護部長への調査,看護系大学の学生への調査などが行なわれている。その結果,看護系大卒者は実践能力に関する自己評価が低いこと2),看護職として,問題の明確化とケア,対象者の精神的支援を重要と考えていること,また,生涯続けられ,やりがいのある仕事であるとの理由で看護職を志望している人が多いこと3) などが指摘され,看護管理者への調査では,実践力不足やコミュニケーション能力の不足というマイナスイメージや,給与体系など受け入れ態勢の不安を抱えながらも看護系大卒者へ期待を寄せていることが示唆されている4)。
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