増刊号特集 ワーク・ライフ・バランスを実現し,成果を上げるマネジメント―多様な働き方と人事制度に焦点をあてて
[クリニック]―ちばなクリニック―看護師の多様な働き方への対応にリンクさせた人事制度をつくる―契約職員を活かす組織・環境への取り組み
兼城 綾子
1
1ちばなクリニック看護部
pp.713-720
発行日 2008年7月26日
Published Date 2008/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101274
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はじめに
医療法人敬愛会ちばなクリニック(以下,当院)は,標榜診療科22,1日外来患者数1200名に対応する外来機能中心のクリニックである。2002(平成14)年に急性期病院から外来機能を分離して開院した。病院ではなくクリニックだからこその課題も多い。
医療環境が変化するなかで,「トリアージ」や「在宅療養支援」など,外来看護師の役割に対する期待も高くなり,外来強化の流れは明らかであるが,外来看護を提供する環境はまだ手つかずのままだと感じているのは筆者だけではないだろう。
さらにクリニックでは,診療報酬上,看護師配置に対して評価がされていないことに加え,外来看護師の,夜勤ができない,子育て中で時間的制限がある,病棟勤務への適応が難しいなどの理由から,病棟とは異なる人員構成である。一見,非効率な職員構成にみられがちであるが,外来看護職員の平均年齢は37.2歳,その豊富な人生経験と看護経験を武器として力を発揮できる組織と環境をめざして取り組んできた(法人内併設の中頭病院の平均年齢は29歳)。
今回,全員参画の組織運営と個人目標管理に加えて,人事考課を取り入れ待遇改善に結びつけることで外来看護師の職員満足向上が図れたので,当院の取り組みを紹介する。
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