特集 クリニック・在宅で診る血液疾患―できること,できないことを見直そう
[Chapter 1] さまざまなクリニック・在宅診療でできること,できないこと
血液専門医がいるクリニック・いないクリニック
由井 俊輔
1
1上野御徒町こころみクリニック
キーワード:
血液内科専門クリニック
,
開業
,
病診連携・診診連携
Keyword:
血液内科専門クリニック
,
開業
,
病診連携・診診連携
pp.806-810
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_806
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★★★患者数増加による基幹病院の逼迫を解消するため,病状が安定した患者の診療を担うような血液内科専門クリニックが必要である.
★血液内科医として開業することで,病院に勤務する血液内科医の負担軽減や血液内科医の志望者増加につながる可能性がある.
★世の中の認知度の低さによる集患の難しさや収益性の課題(検査や薬剤の費用が高額なだけで利益が少ない)がある.
★★★血液専門医がいるクリニックでは,血液疾患が疑われる患者のスクリーニング,基幹病院からの継続診療・経過観察,安定した患者の投薬調整が可能であるが,高額な検査や高額な薬剤を扱うことにはリスクを伴う.
★★基幹病院からは逆紹介の義務化で病診連携が進みつつあり,クリニックはスクリーニングや治療後の受け皿となる.地域の非専門クリニックは血液疾患を疑ったら専門クリニックへ紹介することで,手間とリスクを回避し役割分担できる.
★血液専門医が病院を退職した後も血液内科医として診療を続けることが,病院勤務医の負担軽減や働き方改革を推し進める.患者の時間的メリットも大きく,血液内科医の新しい道が開けると期待している.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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