特集 経験者の受け入れと定着
ライフステージとキャリアデザインを考慮した看護師確保への道を拓く中途採用者への支援
宮城 惠子
1
1医療法人仁愛会浦添総合病院看護部
pp.100-106
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101130
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
「誰かの人生が始まるとき,誰かが癒しを求めるとき,あなたが必要です。あなたの看護力が必要です。学び,よろこび,支えあう人生がある『看護職』をいつまでも続けていただくために……」。2006(平成18)年にこのようなメッセージとともに日本看護協会の看護職確保定着推進事業が開始されるほど,看護師の定着と確保は社会問題になっている。また,7対1入院基本料の新設により,看護師の確保がいっそう困難な時代を迎えている。
浦添総合病院(以下,当院)のような急性期の民間病院では,看護師の確保は,より安全な良質の看護サービスを継続,発展させるうえで重要な課題となる。
当院で年間に採用される看護師数は60名前後で,新卒者と既卒者が半数ずつになっている。応募してくれる既卒者にとって,当院は2か所目,3か所目の職場となるが,彼らにとって,看護を続けてよかった,この職場を選んでよかったと実感できるような組織でありたい。当院が,看護師としても人としても磨かれ,他のスタッフとともに成長できる場であること,看護師としてのキャリアデザインを実現できる場であることをめざした支援や環境づくりをしたいと考えている。また,せっかく復職したのだから,「無理せず,納得して,目的を確認しつつ」看護実践をしてほしいと,看護管理者として日々思っている。
本稿では,中途採用者の受け入れと定着のための当院の取り組みを紹介し,キャリアデザインに沿った支援を考える。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.