BOOK REVIEW
―日々の看護配置のもやもやをすっきりさせる看護必要度の実用的解説書―『マネジメントツールとしての看護必要度』
山西 文子
1
1独立行政法人東京医療センター
pp.1004
発行日 2007年11月10日
Published Date 2007/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101076
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■看護管理者にとって待望の書
本書は看護管理者にとって待望の書である。第1章「看護必要度が求められる背景」,第2章「看護必要度データの活用事例」,第3章「看護必要度を用いた看護師配置管理システム――『カンゴルー』の紹介」からなり,「看護必要度」を臨床で活用するための実用的な解説書である。また,看護管理者はもとより,働く看護師にとっても,非常に理解しやすい内容である。日々の看護配置のもやもやをすっきりさせるために,ぜひ手にとって活用してもらいたい。
客観的な指標がなく,問題意識を常に感じながらも,看護管理者の多くが看護師の配置に取り組んでいる。従来から臨床においては,病床数や看護師数のみによる看護管理システムでの看護配置が長期間行なわれてきたために,職場ごとに看護師は不公平感,疲弊感を感じていた。それを知りつつ,真の意味で実態と異なる勤務体制,看護師配置の実情など,主観にもとづいた管理が多く行なわれ,看護師数で看護の質を上げることの検証は行なわれないままにきている。長い間,共通の尺度ももたず,改善もされず継続されてきたのは,たぶん,看護の質による診療報酬上の評価がなく,コストにも影響しなかったためと思われる。
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