特集 超高齢社会の病院でどんな看護を提供するか―専門看護師と認定看護師の広告解禁を契機に
看護のスペシャリストをどのように育成し活用していくか―病院経営の視点からの戦略と実践
濱上 洋
1
1長浜赤十字病院
pp.926-930
発行日 2007年11月10日
Published Date 2007/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101057
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はじめに
長浜赤十字病院(以下,当院)は滋賀県長浜市にあり,西は琵琶湖に面し東は伊吹山を擁し,北陸東海に通じる交通の要所にある。滋賀県は7つの二次医療圏からなり,そのうち当院のある湖北保健医療圏は東北部に位置し,人口17万人弱(高齢化率22%),長浜市・米原市を含む2市6町から構成され,762km2(屋久島の1.5倍)というかなり広大な圏域であるが,急性期医療を行なう一般病院は当院と,やや規模の大きい市立病院,200床以下の北部の公立病院(僻地中核病院)の3病院しかなく,診療所も約100か所と,比較的医療密度が薄く,そのわりに入院外来とも他医療圏への出入りは少ないという特徴をもった地域である。
滋賀県内でも多くの病院で診療科の廃止,医師の流出・減少が相次ぐなか,当院では医師数は決して十分とはいえないものの,臨床研修医の確保もあり増加し続けている。各種指定のうち,特に救命救急センター(年間総受診者数4万人),地域周産期母子医療センターの役割を重視しているが,救急認定医・産科医・小児科医の不足が解消できず,他の診療科以上の過重な負荷がかかっており,必ずしもその機能が果たせていない面がある。
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