特集 「キャリア中期看護師」をいかに育てるか
「キャリア中期看護師の臨床実践力測定尺度ver.3」を活用した人材育成の実際
出口 昌子
1
1湯河原厚生年金病院
pp.504-510
発行日 2007年6月10日
Published Date 2007/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100967
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院内継続教育は,卒業したての看護師から5年目までを対象にしているところが多いと言われているが,一方,クリニカルラダーによって,中堅看護師のめざすものも以前よりは明確になってきている。中堅看護師は,組織のなかで中核としての役割を発揮し,看護実践の担い手として影響力が強く重要な存在である。この能力を活用して部署の力を強化することはできないだろうかというのは,看護管理者の誰もが考えていることである。
A病院(表1)でも,多分にもれず同様の課題を抱えており,昨年「キャリア中期看護師の臨床実践力測定尺度ver.3」(以下,ver.3)を使用して5年目以上の看護師を対象にグループ学習を行なった(図1)。その結果,この尺度を使用することで,臨床実践力が明確になり,自分自身を知る機会になったとの反応がみられた。また今回,目標面接の際,実践力の高い中堅看護師が,日常の関わりのなかで後輩に良い影響を与えているという喜ばしいケースもあった。そこで,私たちの開発したver.3を使って,自己評価と他者評価をすることで,人材育成の方向性や尺度使用による傾向が見出せたので報告する。
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