連載 The Starting Point・9
「あなたたちの看護は花丸だ」[宮子あずささん]
小林 光恵
pp.675
発行日 2003年9月10日
Published Date 2003/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100891
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この秋で,看護師長に就いて丸2年になる宮子さん。今年40歳。
「まだまだ若いけれど,年齢の10の位が変わり,来し方を振り返る場面が多いんです」
今まではあまり思い出さなかったことも思い出すという。例えば,看護師1年目に担当した患者Pさんのこと。Pさん(80歳)は,糖尿病性の腎不全を起こし,常に浮腫がとれない状態にあった。呼吸の安楽のため座位をとることが多くなるとともに,むくんだ陰囊と鼠径部が擦れる皮膚の痛みを殊のほか辛がった。軟膏塗布などあれこれ工夫をしてみたが改善されない。宮子さんとPさんは二人で知恵を絞り,狸の八畳敷きのごとく大きくむくんだ陰囊を布で包み,それをPさんの首に吊るようにくくり,鼠径部に接触しないようにしたのだった。
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