連載 看護管理に活かす看護理論のエッセンス・2
ヘンダーソン―最高級のサービスを提供する看護
根本 敬子
1
1千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
pp.653-657
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100887
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
ヘンダーソンの『看護の基本となるもの』1) は,看護管理者にとって懐かしくかつ馴染みのある理論であろう。看護職なら誰もが一度は読んだ,あるいは読まされた理論である。しかし,残念なことに臨床の現場にとっては過去の理論とされ,ましてや看護管理者に向けて書かれた理論ではない。しかし,ヘンダーソンは,その著書の中で,ヘルスケアチームに必要不可欠な存在として看護をとらえ,それゆえ看護の独自の機能を発揮すること,その独自の機能について定義づけをしている。
現在のわが国の医療に必要とされているのは,チームアプローチであり,医療従事者の連携・協働である。看護管理者は,医療チームの中で看護が果たす役割を伝え,チーム医療を推進していく役割がある。そして,その中心に患者サービスがなければならない。このような日本の現状において,看護サービスとは何かを見直すのに役立つ示唆がヘンダーソンの理論にはある。
本稿では,看護管理者の有用な知識となりうるヘンダーソン理論のエッセンスのいくつかを紹介したい。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.