特集 海外看護事情—日本人看護婦からの手紙
【アメリカ】貧しい地域にサービスを提供する看護現場から
渡辺 薫
1
Kaoru Watanabe
1
1マウント・サイナイ病院(シカゴ)小児病棟
1Mount Sinai Hospital
pp.20-22
発行日 1996年1月1日
Published Date 1996/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904981
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私が勤めているMount Sinai Hospital(MSH)は,合衆国第3の都市であるシカゴ市の西,NorthLawndaleという地区にあります.MSHは1991年に,その頃シカゴ西部に多く住んでいたユダヤ系の人々(多くは東ヨーロッパからの移民)のための病院として創立され,現在でもシカゴで唯一のユダヤ系病院として,新旧のユダヤ系の人々に保健医療サービスを提供しています.
一方,長い間に病院周辺の環境,人種構成は変化し,現在ではNorth Lawndaleはシカゴで最も貧しく,危険な地域の1つに数えられています(表).人種,宗教,支払い能力のあるなしにかかわらず人々が必要としている保健医療サービスを提供することが病院の方針となっていますので,North Lawndaleに限らず,シカゴの西部や南部(低所得層の人々が多く住む地域)から人々がサービスを求めてMSHにやって来ます.
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