特集 経済学を看護の味方に
看護の経済性をどう追求するべきか―病棟管理者の立場から
大沼 扶久子
1
1東京警察病院A8病棟
pp.594-597
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100876
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はじめに
一昔前は,看護や医療に従事する者がお金のことをとやかく言うのは良くないこととされ,看護師は奉仕の精神と献身的なケアを望み,望まれていた。時代は変わり,現在は看護師長も病棟管理者である以上,病院経営や医療経済を前提として看護管理に臨むことを要求されている。
経済学を持ち出すまでもなく,病院経営にとって「お金」は無視できない問題である。しかし,収益を上げるためだけのコスト削減は,ともすると看護の質低下を招くことにつながりかねない。このため,看護の経済性を考える場合は,単に収益の増減に着目するのではなく,提供される看護の質に対する費用と効果,そして看護にどのような付加価値を付けていくかなど,多面的に考えていくことが重要である。
本稿では,筆者の経験等をふまえ,看護の経済性について述べてみたい。
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