最後までよい人生を支えるには 多死時代の終末期医療 国として終末期を支えるには
医療経済学の立場から
真野 俊樹
1
1多摩大学 大学院
キーワード:
医療経済学
,
医療費
,
方法論
,
ターミナルケア
,
作業効率
,
行動経済学
Keyword:
Economics, Medical
,
Health Expenditures
,
Efficiency
,
Methods
,
Terminal Care
,
Economics, Behavioral
pp.1420-1423
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014056536
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
従来金銭とは縁が薄かった医療であるが,最近経済学の視点が医療にも導入されてきている.本稿では,医療経済学の視点から終末期医療について試論を行う.最初に主流派経済学の分析の方法論を概観し,次いで最近注目を浴びている行動経済学,すなわち心理的な視点を導入した経済学について触れる.一方,旧来の急性期医療を中心にしたキュアからケアへの流れは,合理的な思考を重視する主流派経済学から行動経済学への流れに合致する.「キュア」は根治的治療,医師を頂点としたヒエラルキー型の医療サービス提供体制で,「ケア」は日常生活の質を向上させる医療や看護・介護,また医師・看護者・リハビリ・介護・ソーシャルワーカーなどによるチーム医療ということになろうか.しかし,あまり個人のことを想い過ぎると過剰医療になってしまう可能性もある.また,ケアとは結果より過程を重視する取り組みであることも紹介する.
©Nankodo Co., Ltd., 2013