特集 ITの導入で看護業務をどう変えるか
東京大学医学部附属病院におけるIT活用の現状と展望
看護情報システムの概観―(「平成14年度東大シンポジウム」より)
入村 瑠美子
1
1東京大学医学部附属病院看護部
pp.435-436
発行日 2003年6月10日
Published Date 2003/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100844
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看護情報システム発展の流れ
まず,看護情報システム発展の歴史を振り返ってみましょう。医療機関へのコンピュータ導入は1970年代にり,当院の病院情報システムは,1973年に稼動を開始しました。医事会計から始まったコンピュータ化の動きは,1980年代に入ると,全国いくつかの施設で看護業務への利用が始まりました。
1984年の第4回日本医療情報学会連合大会では,初めて看護のセッションが企画されました。看護情報システムの発展は,ここに端を発していると言えましょう1)。その後,1987年に開催された第1回看護情報システム研究会では,先駆的に取り組んでいる全国の施設から,病院オンラインによる注射オーダリングシステムや薬品請求,看護職員の勤務表作成システム等について報告がありました。とりわけ香川医科大学のパソコンを利用した標準看護計画作成は,300名の参加者に大きな衝撃を与えました。当時は,「看護業務にコンピュータ活用は有効か」という議論が熱心に交わされていた時期にあたり,実際に利用している現場からの報告は,コンピュータ利用の具体的なイメージとなり,納得のいく機会となったことを記憶しています。
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