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連載 医療保険制度の問題と改革への提言・2
平成14年度診療報酬改定にあたって
Concern on the Revision of Medical Service Fees, 2002, No. 2 in Series of Articles:Controversy and Reform Proposals Concerning Insured Medical Care in Neurosurgery
中川 俊男
1
Toshio NAKAGAWA
1
1新さっぽろ脳神経外科病院
1Shinsapporo Neurosurgery Hospital
キーワード:
medical service fee
,
medical health insurance for the whole nation
,
average length of stay
,
balance billing
Keyword:
medical service fee
,
medical health insurance for the whole nation
,
average length of stay
,
balance billing
pp.779-783
発行日 2002年7月10日
Published Date 2002/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902244
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Ⅰ.はじめに
わが国の医療保険制度は,その根本精神が「いつでも,どこでも,だれでも」と表現されるようにフリーアクセスと国民皆保険体制を堅持してきた.先にWHOが発表したWorld Health Report20001)において,日本の医療保険制度は健康達成度総合順位1位という評価を得た.とくに健康で自立して生活できる健康寿命は1位,年齢や地域間の格差のない平等性は3位とされている.国民は文字通り世界一の医療保険制度の下で男女ともに平均寿命世界一,先進国中最低の乳児死亡率という輝かしい成果を享受してきた.一方,このような成果があるにもかかわらず,国の経済力の指標であるGDP(国内総生産)に対する医療費の割合は7%台で,1位米国の約半分,先進29カ国中でも18位に過ぎない2).
小泉内閣が進めている構造改革において,政府が導入を目指しているのは,4,300万人もの医療保険未加入者を生み出すようなアメリカ型の医療制度である.そこにあるのは,貧富の差で診療内容が異なるような日本人には凡そ馴染まない弱肉強食の世界である.
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