特集 徹底検証 診療報酬改定2002
平成14年度診療報酬改定の意義と課題
川渕 孝一
1
1東京医科歯科大学大学院医療経済学分野
pp.780-785
発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903618
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
平成14年度の診療報酬改定では,「症例数が多ければ多いほど医療の質は高い」という仮説に基づいて,一定の施設基準(年間症例数,医師の経験年数など)を設定する手術の範囲を現行の18項目から110項目に拡大した.さらに施設要件を満たさない施設においては,手術料について既定点数の70%を算定するとしている.この他,①経皮的冠動脈形成術等,②ペースメーカー移植術・交換術,③人工関節置換術,④体外循環を要する心臓血管外科手術等,⑤乳児の外科手術,の5分野については別途施設基準を設定した.
これは,政府・与党が平成13年11月に発表した医療制度改革大綱を受けたものである.同大綱では,情報開示に基づく患者の選択を尊重した上で,医療の質の向上と効率化を図り,国民の医療に対する安心と信頼を確保すると謳っている.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.