新連載 中国の看護事情を見てみたい・1
病院の機能と看護師の役割
平井 さよ子
1
1愛知県立看護大学看護教育・管理学
pp.386-391
発行日 2003年5月10日
Published Date 2003/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100835
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きっかけは留学生
21世紀はグローバリゼーションがより一層進む時代であると言われている。看護の分野でも,国際交流や国際協力が活発に行なわれている。中でも,日本と中国との看護交流は,日中医学協会などを中心に進められてきており,学会発表や出版による報告が見られるようになった。
2002年4月より,私は中国人留学生1名を研究生として迎えた。彼女は青海省にある某大学の教員であるが,1998年に日本で1年間学んだ経験がある。当時から彼女の研究的関心は日本と中国の看護業務比較であり,1年の研究生生活を経た後,同じテーマの研究を進めるためにも,当大学大学院に進学したいという志を持っていた。彼女の報告や文献調査などから総合的に把握すると,現在の中国では,医療制度や看護制度,看護教育や看護業務に関する改革が急ピッチで推進されており,学会報告や書物から入手できるデータのみでは,実状がなかなか把握しにくいことを知った。そこで,指導教官として,まずは中国を訪問し,実際に自分の目で見て,当事者から直接話を聞く必要性を感じ,3か所の地域に存在する8か所の病院を訪問した。
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