院内管理のレベル・アップ 看護
看護部門のレベルアップのために・1
病院における看護の役割
大森 文子
1
1北里大学病院看護部
pp.222-223
発行日 1978年3月1日
Published Date 1978/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206478
- 有料閲覧
- 文献概要
「院内管理のレベルアップ」シリーズで看護部門をとりあげたいので,総論的な事柄を述べよとの注文を受け,軽い気持で引き受けたものの,いざ書こうとして,はたと当惑してしまった.それは,今日における日本の病院とは,どこを標準にするべきなのかを第一に定めておかなければならないことであったと気づいたことから始まる.厚生省が認めている日本の病院数は8,294で,その中には一般病院,精神病院,結核療養所,らい療養所,伝染病院,小児病院,老人専門病院等が含まれている.
医療の専門分化に従って病院も専門分化すべきであるとの考え方から,小児科,老人科,精神科は専門病院的な考え方を進めてゆくのが当然なのかも知れない.むしろ,保健医療の効率化,今後の医療費問題や看護職員の充足問題などの検討が進めば,地域医療体系の中で病院型態の変化は当然の課題として起ってくることが予想される.このような時点で,どこに焦点をあてて看護部門のレベルアップを論じたらよいのかと迷ってしまったのである.大体において本誌は大・中病院,総合病院の問題を多くとり上げているようなので,この総論でも一応,その範囲で意見を述べてみたい.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.