特集 トータル・クオリティ・マネジメントを目指し支える組織づくり
安全な医療を目指すPL病院の取り組み―TQMによる医療の質の改善
北島 政憲
1
1医療法人宝生会PL病院
pp.27-31
発行日 2003年1月10日
Published Date 2003/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100766
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全職員参加活動のシステム構築
近年,病院における医療事故,医療過誤などの報道が相次ぎ,医療の質への関心は従来になく高まっている。ここで問題となる医療の質とは,診療を中心にした病院で行なわれる業務個々の質およびそれらが有機的に連携したシステムの質を意味し,医療の質改善活動とは,業務に従事する全ての職員が関与すべき活動である。この全職員参加の質改善の活動を病院に根付かせることが安全管理上での必須事項であり,本稿ではこれを組織的なシステムとして構築する方法について考えたい。
PL病院では,1985年の増改築を契機に,病院経営の質と病院業務を組織的に改善し,安定した病院経営を図るためにふさわしい方法を模索していた。そして,わが国の企業において独特の発展を遂げ,成功を収めてきた「TQM(Total Quality Management)」に着目し,その一環として,比較的取り組みやすい「QC(Quality Control)サークル活動」を1987年に導入した。
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