特集 性病
新しい性病予防のあり方
芦沢 正見
1
1国立公衆衛生院疫学部
pp.493-496
発行日 1969年9月15日
Published Date 1969/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203940
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古くて新しい問題
与えられたテーマは疫学の立場から"新しい性病予防のあり方"をということであるが,疫学からみた性病予防の原則は別にこと新しいものではなく,むしろいとも簡単明瞭といえよう.
伝染病予防の三原則といわれるⅰ)感受性者(宿主)対策,ⅱ)感染源対策,ⅲ)感染経路対策のなかで性病はその感染様式からも,またワクチンの本格的な研究はこれからという現状からいっても,感染源対策こそ最も重要であることはいうまでもない.そして感染源のなかでも,相手が特定(たとえば婚約者・配偶者)の場合は流行には至らないが,相手が不特定で多数の場合が問題であるというのは,フレッシュな感染源が存在し,しかもそのグループのメンバーが常に若年者層によって更新補充されている限り,性病の流行は決して熄むことはないからである.国情により比重に軽重はあるが,濃厚感染源としてまず指を屈せられるのが売春常習者グループと性的プロミスキュアス(無軌道乱交)グループである.
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