臨床医のプライマリ・ケア 妊娠・分娩とプライマリ・ケア
分娩管理の新しいあり方
工藤 尚文
1
,
江尻 孝平
1
,
岸本 廉夫
1
,
関場 香
1
Takafumi Kudo
1
1岡山大学医学部産科婦人科学教室
pp.295-299
発行日 1982年4月10日
Published Date 1982/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206599
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分娩の最大の目標は心身ともに健康な母と児を社会に送り出すことであり,母と児の分離の過程には突発的なaccidentが発生しやすく,そこにわれわれ産科医の存在意義がある。しかし分娩のメカニズムにはいまだ学問的に未開拓な面が多く,科学が自然の力を凌駕するまでに至っていないのが現状である。
外科的領域においては,たとえば悪性腫瘍の手術のように,医師は積極的にメスをふるい治療にあたるが,産科領域ではよほどの異常がない限り,分娩現象という自然の力を見守り,母児に生命の危険がさし迫った場合にのみ人工的な医学的介助が行なわれる。
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