連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・18
生涯もち続けた少女時代の感性『レイチェル―海と自然を愛したレイチェル・カーソンの物語』
柳田 邦男
pp.1042-1043
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100717
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人物の伝記を読むとき,私がいちばん興味をもつのは,芸術家であれ作家であれ科学者であれ,幼少期あるいは少年少女期にその人の将来につながる,どのような出会いや出来事があったかという点だ。その経験を境に,子どもあるいは若者は心が急にひとまわりもふたまわりも成長し,次の成長への道を歩むことになる。
そのことをあらためて想い起こさせられた絵本に出会った。自然環境を農薬や開発などで破壊することが,いかに自然の生態系を狂わせ,ひいては人類自身の将来を危くするかという警鐘を世界で最初に鳴らしたアメリカのレイチェル・カーソンの生涯を絵本で表現した『レイチェル――海と自然を愛したレイチェル・カーソンの物語』だ。
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