連載 スクラブ・ナース 2年生・19
英語の学習
鈴木 美穂
pp.1031
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100714
- 販売していません
- 文献概要
ニューヨークに来て7年が経ち,見るテレビ番組といえばすっかり日本語放送ばかりになってしまった。それが近頃,1秒たりとも日本語番組を見なかった初めの1年間をふと思い出す。当時は,とにかく意地になって日本人を避け,日本人に会っても英語を使うような愚かなことをしていた。今,留学ガイドなどを読むと,これは留学生の誰もが経験するらしく,また7年目くらいになるとこのような振り返りをするようになると書かれてある。自分が典型的な留学生の経過を辿っていることを確認し,素直に安心する。
早く英語を習得しなければと躍起になっていた当初,週20時間の語学学校だけでは時間を持て余し,かといって,余分に授業をとるほど経済的な余裕もなかったので,タダでできて英語の役に立つことを探した。そこで初めに目をつけたのは,大学のラーニングセンターである。アメリカの各大学には,教授から補習を受けるようにいわれた学生の指導を行なったり,提出前のレポートの添削をしたりするセンターが設置されている。これらのサービスは,必ずしも留学生のためでなく,基本的には予約制で誰でも利用できるが,利用回数・時間に制限がある。しかし,私が初めに行った語学学校のある大学のラーニングセンターでは,予約不要時間帯があり,時間の許す限り,そこのチューターから個人指導を受けることができた。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.