- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
私は,2019年3月に行なわれた日本看護系大学協議会(JANPU)の国際交流推進委員会企画による「スマートな国際学会発表を目指して2」において,国際学会での口演を行なうための準備や学びについて発表する機会をいただいた。その際に,参加者から具体的な国際学会に参加するための準備や発表の実際,英語の学習方法について知ることができたとの感想をいただいた。私のつたない経験を話すことが役に立つのかと思っていたが,国際学会へ挑戦したいと考えていても,具体的にどのように準備するのがよいのか迷っている方もいると感じた。本稿では,国際学会での発表に向けて実際に私が行なってきた発表の準備やスライドの作成方法,英語の学習方法について紹介していく。
まず初めに,私の大学院生時代の研究活動について簡単に紹介したい。私は,7年間の看護師経験のなかで看護管理者のリーダーシップがスタッフに与える影響の大きさを実感し,看護管理の研究を行ないたいと思い,東京医科歯科大学大学院で看護システムマネジメント学分野に進学した。進学後は,看護管理者のリーダーシップについて研究を行ない,修士課程では,看護師長のリーダーシップスタイルとスタッフナースの情緒的コミットメントの関連を質問紙にて調査した。そして,博士課程では,看護師長とスタッフにインタビューを実施し,病棟変革を促進する看護師長の特性を明らかにするために質的研究を行なった。
修士課程から博士課程修了までの6年半の間に,合計4回の国際学会において口演を行なう機会を得ることができた(表1)。国際学会で4回も口演を行なったと聞くと,留学経験があったり,もともと英語が堪能だったりといったイメージを持たれるかもしれないが,私は留学経験もなく,「スマート」とはほど遠い,地道な努力を続けながら発表を行なってきたと自己評価している。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.