焦点 地域連携の新たな形を探る
地域連携室は情報の拠点―連携の基盤づくりにおける地域連携室の役割
下村 裕見子
1
,
齋藤 登
2
,
岩本 安彦
3
1東京女子医科大学病院地域連携室・クリニカルパス推進室
2東京女子医科大学病院一次診療科・クリニカルパス推進室
3東京女子医科大学病院糖尿病センター・地域連携室
pp.42-47
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100688
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はじめに
1998(平成10)年4月,診療報酬に地域連携体制の構築についての評価が行なわれたことを契機に,多くの医療機関で,「地域連携室(以下,連携室)」が開設された。しかしながら「連携室」の業務に明確な定義はなく,連携の推進を目的としたさまざまな取り組みが学会などで報告されている。地域における自院の使命によって,担うべき医療提供の役割と,連携先となる病院形態は異なってくる。それら必要な連携を遂行するために,連携室に配置されている職種もさまざまである。筆者が代表世話人をつとめている東京都連携実務者協議会(後述)にて実態調査を行なったところ,前方連携(紹介,診療予約など)は事務員,後方連携(転院,在宅医療などの調整)はMSWや看護師が主に活動しているケースが多いようである。本年の診療報酬改定においては,今後さらなる後方連携の重要性が示唆され,リハビリ(OT,PT,ST)や薬剤師などさらに多くの職種が退院調整を中心とした業務に携わることになると思われる。
筆者は,医療職ではなく事務職として連携室に所属している。非医療職であればこそ,望まれる医療のあり方などについても客観的にとらえる視点を得られることに強みがあると考えている。本稿では,後方連携において事務員が果たしうる役割や実際の取り組みについて述べたい。
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