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勤務時間中の休憩が看護師のパフォーマンスに与える影響
奥山 絢子
1
,
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科 看護管理学
pp.146-147
発行日 2005年2月10日
Published Date 2005/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100118
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背景
航空機のパイロットなどにおける研究では,短時間の休憩がパフォーマンスを高め,主観的疲労を減らすといわれている。勤務時間内の休憩においては,実際の休憩時間の長さよりもその頻度やタイミングが重要である。普通,仕事の内容により休憩を計画的に取るか,労働者が疲れを感じたときに取るかが決まる。しかし実際には,労働者が正確に自らの疲労レベルを判断するのは困難であり,しばしばパフォーマンスが低下するまで休憩を取っていない。多くの工場では10時間以上の長時間勤務体制がとられているが,労働者に必要な休憩の頻度,タイミング,時間についての情報はあまりない。
多くの看護師は10時間シフトではなく,12時間シフトで働いているが,仕事量は減少しておらず,休憩時間の取得については明らかではない。英国の研究では,3分の1以上の看護師が食事・休憩時間を取っていないとの報告がある。同様に,米国の病院での研究でも看護師は仕事量が多いため,しばしば休憩を取っていないことが報告されている。しかし,労働時間と食事・休憩時間を取らないことによる患者安全への影響についての情報はあまりない。この研究では,1)米国看護師の食事・休憩時間の取得状況を記述することと,2)それが患者安全に有害な影響を与えるかどうかをみることを目的とする。
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