新連載 組織マネジメントツール バランスト・スコアカードの基本のキ[1]
バランスト・スコアカードとは何か
熊川 寿郎
1
1東京都老人医療センター免疫輸血科
pp.50-54
発行日 2004年1月10日
Published Date 2004/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100418
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はじめに
バランスト・スコアカード(Balanced Scorecard;BSC)は,ロバートS.キャプラン(ハーバード・ビジネススクール教授)とデイビッドP.ノートン(バランスト・スコアカード・イニシアティブ社長)により開発された,戦略的組織マネジメントシステムです。そのコンセプトはさらに進化を続けていますが1),本質的には「財務」「顧客」「内部プロセス」「学習と成長」の4つの視点で,組織のビジョン・戦略を全職員に誤解なく伝え,組織が一丸となって目標に向かうための仕組みです。
今日では一般産業界のみならず,ヘルスケアの分野にも世界中で広く導入されるようになり,日本でもすでにいくつかの病院で取り入れられています。医療サービスにおいてもアウトカム(成果)が重視される時代を迎え,私たちにはそれにあったマネジメントツールが必要です。すでに普及しているクリティカルパスが疾患マネジメントレベルでの有効なツールとすれば,BSCは組織マネジメントレベルでの強力なツールと言えます。本連載の目的は,BSCを看護管理にスムーズに導入するお手伝いをすることです。
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