特集 バランスト・スコアカードで看護部組織を変革する
病棟におけるバランスト・スコアカード導入の成果
上野 真弓
1
,
菊池 たき子
1
,
深澤 英代
1
,
高野 優子
1
,
馬渡 法子
1
,
熊川 寿郎
2
1東京都立豊島病院看護科
2国立保健医療科学院経営科学部
pp.385-391
発行日 2005年5月10日
Published Date 2005/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100163
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はじめに
東京都立豊島病院看護科では,バランスト・スコアカード(BSC)を2002(平成14)年度に看護部門のリスクマネジメントに導入した。2003(平成15)年度には看護管理に試験的に取り入れ,2004(平成16)年度より各病棟,部署,委員会での本格導入に至った。筆者らの勤務する3A病棟(以下,当病棟)においても看護科のBSCを勘案してBSCを作成し,今年度の目標を(1)患者および家族がストーマケア・経腸栄養管理を在宅において安心してできる,(2)スタッフの職務への満足度を高める,とした。当病棟でのBSCによる管理の実際と,導入の成果について報告する。
なお当病棟の概要を表1に示す。当病棟における看護の特徴は,術後そう傷ケアはもちろんのこと,消化器術後患者の末梢点滴,中心静脈栄養,経腸栄養管理など,医薬品およびルート類の管理が多く,高齢術後患者も多いことから術後せん妄による転倒転落,ルートトラブルに注意を要する。ストーマ造設患者も多数おり,ストーマ管理の技術習得は欠かせない。検査数も多く,非常に繁雑な病棟である。安全を第一に考えながらも業務の効率化を図り,看護の質を維持し,職員が働きやすくやりがいを持続できる環境を整え,患者サービスの向上に貢献できる病棟づくりを目指している。
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