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組織のGovernanceとManagement
現代は組織の時代である,といっても過言ではありません。営利企業,学校・病院などの非営利企業,政府・自治体などの公的機関企業,Nonprofit organization(NPO,非営利団体),Nongovernmental organization(NGO,非政府団体)などじつに多くの「組織」があり,「組織」がなければ社会は全く機能しません。「組織」は個人では達成できない仕事でも,複数の人々が協働することによりそれが達成できる,と考えてつくられたものです。「組織」には必ず目的があり,その目的達成のために「組織」の構成要素(人やグループなど)が相互に関係して,“1+1”が“10”にも“100”にもなるように,個人の努力の総和以上の力を生み出します。
組織の目標を達成するためには,Governance(ガバナンス,統治)とManagement(マネジメント,管理)が重要になります。この2つのコンセプトは明確に区別されます(図1)。ガバナンスとは,組織を効率的に経営し,組織目標をきちんと達成するための規律と支配に関する仕組みです。英国では頻発する企業の不祥事を契機に,1992年にキャドベリー委員会が“The Report of the Committee on the Financial Aspects of Corporate Governance”という報告書でコーポレート・ガバナンス(企業統治)という言葉を使いました。OECD(経済協力開発機構)は,コーポレート・ガバナンスを「企業を効率的に経営し会社の経済的繁栄を最大にするための企業の規律と支配に関するもの」と定義しています。
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