連載 スクラブ・ナース 2年生・18
患者の食事は○○い!
鈴木 美穂
pp.951
発行日 2006年11月10日
Published Date 2006/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100404
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- 文献概要
患者の食事は,日本とアメリカで異なるもののひとつである。アメリカでは,当然ながらご飯も味噌汁も出ない。お米は,私が勤める病院では,パエリアとして出るだけである。シーフードパエリアなんていうと,とてもおいしそうに聞こえるが,見た目は非常にまずそう!である。パエリアに限らず,見た目はどれもまずそうで,エコノミークラスの機内食といおうか,ラップをかけて電子レンジで温め直した冷凍食品のようなものである。実際に患者の食事を食べたことはないが,食事についてあまり多くを語らない患者たちの態度を見れば,その味の程度はおのずと知れて,あえて「お食事いかがですか」と聞けば,「病院の食事なんてこんなものでしょう」との返事。
しかし,ときに,そんな食事を「おいしい」と感謝して食べる人もいる。そのほとんどはなぜか独り暮らしの高齢女性である。一方,糖尿病カロリー制限食が出されているのに,病院食には手をつけず,家族や友人からの差し入れを存分に食べる人もいる。一応,注意はするが,「家で食べているものを食べて何が悪い。私の血糖値は安定している」と返されれば,何も言うことはない。これは日本でも同じである。
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