連載 管理者に求められる医療安全スキル・7
手術室におけるリスクマネジメント―患者取り違え・手術部位の間違い
本山 和子
1
,
中村 春菜
1
1東京海上日動メディカルサービス株式会社リスクマネジメント室
pp.946-950
発行日 2006年11月10日
Published Date 2006/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100403
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はじめに
財団法人日本医療機能評価機構・医療事故情報収集等事業が発表した第5回報告書(以下,事故報告書)によると,2004(平成16)年10月1日から2006(平成18)年3月31日の間に報告された事例だけみても,患者取り違えや部位間違い,左右間違いに関連した事例が発生している(表1)。1999(平成11)年の横浜市立大学附属病院の患者取り違え手術事件以来,さまざまな事故防止対策が立てられ,実施されているが,現在もなお,こうした患者取り違えの事故が起きているということから,手術室での患者や手術部位に関する誤認の潜在的リスクは依然高いものであるといえる。
本稿では手術室での勤務経験やいくつかの医療機関の手術室の現状を見聞きした内容を踏まえ,手術室における患者確認方法についての問題点とそれに対する解決策を考えてみたい。
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