連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・16
少年の示す透明な愛と受容の世界―『でも すきだよ,おばあちゃん』
柳田 邦男
pp.868-869
発行日 2006年10月10日
Published Date 2006/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100387
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絵本にも時代が投影されている。最近の絵本を広く読み漁っていると,そう感じる。
もちろん,絵本は時代を超えて読みつがれていく普遍的な内容になっている。実際,誰でもがなじんでいる『ちいさいおうち』『しろいうさぎとくろいうさぎ』『三びきやぎのがらがらどん』『ごんぎつね』『ぐりとぐら』『100まんかいいきたねこ』など,20年も40年も版を重ね,いまだに書店に並べられている絵本は多い。おそらく,今子育て中の20代後半から30代くらいの親たちは,それらの絵本を子ども時代に読んでいて懐かしく感じて読み聞かせしているにちがいない。そういう絵本をあらためて手に取ってみると,時代が変わり,ライフスタイルが変わっても,楽しいし,感動さえする。
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