連載 管理者に求められる医療安全スキル・3
事故後の患者・家族,事故関係者とのコミュニケーション
山内 桂子
1
1東京海上日動メディカルサービス株式会社メディカルリスクマネジメント室
pp.570-575
発行日 2006年7月10日
Published Date 2006/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100325
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はじめに
管理者は,医療事故発生後の対応をするうえで,患者・家族への説明を行なったり,事故関係者への聞き取りを行なったりする。その際,患者・家族や事故関係者の看護師とどのようなコミュニケーションをとり,どのようなサポートをすればよいのだろうか。
筆者は心理学研究者の立場から,医療事故後の看護師へのサポートに関する研究1)を行なう一方,被害者である患者・家族の話を聞き,場合によってはカウンセリングを行なってきた。そのような研究や実践のなかからわかったことは,事故後の病院や看護管理者の対応が,被害者や事故に関わった看護師に大きな心理的影響を及ぼしているということである。
事故後のサポートのあり方は事故の内容によっても異なるので公式はないが,本稿では一つの事故事例をもとに,管理者として事故後の患者・家族そして事故に関わった医療従事者(以下,事故関係者)にどのような考え方でどのように関わればよいのかを考察する。
なお,事故後の看護管理者の対応のあり方については,日本看護協会の「医療事故発生時の対応――看護管理者のためのリスクマネジメントガイドライン」2)に記載されているので併せて参照いただきたい。
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