特集 看護師に選ばれる病院の「新規採用」と「教育システム」
教育の立場として,学生の就職に思う―学生と病院への期待 新人看護師をゆっくりと育ててほしいと願って
金井 律子
1
1東京都立南多摩看護専門学校
pp.544-546
発行日 2006年7月10日
Published Date 2006/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100317
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学生はこんなことを思っている
この4月,卒業を控えた3年生との定期面接があった。就職に関しての声としては次のようなものであった。「脳外科(あるいは循環器)をやりたいので,その専門的な病院で働きたい」「将来は地元に帰るが,それまで大学附属病院で最新の知識と技術を身につけたい」「夫と子どもがいるので,自宅近くで長く勤められるところを希望。次の出産を考えると保育所があるとなおいい」「将来訪問看護ステーションで働きたいので,それに向けて必要な知識と技術を身につけられるところがいい。初めは病棟,次に訪問看護部で働きたい」「将来精神科(あるいは高齢者施設)で働きたいが,急変があっても対処できるように,まず総合病院で技術を身につけてから進みたい」「将来海外で働きたいので,そのルートがある病院を教えてほしい」など。
主に実習を通して興味をひかれ,働きたい領域が明確になっている学生や,長期的な展望を視野に入れて就職先を考えている学生が多かった。どの学生もいきいきと,働く将来の自分の姿を描き,夢や希望にあふれていた。希望に添った病院をいくつか紹介したのだが,早く就職先を決めたいと焦る言葉も聞かれたので,ついては,今後の実習で新たに興味をひかれる領域もあるだろうから,実習にしっかり取り組むこと,また7月に学校で行なわれる病院説明会を参考にしたり,夏休みに病院見学を計画的に行なって決めていくように学生には伝えた。
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