声
学生の就職に思う
村田 昌子
1
1山口県衛生看護学院
pp.6
発行日 1972年4月10日
Published Date 1972/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205055
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学院を卒業したのはついきのうのようであるが,保健婦になって14年目を迎え,現在の学院へ来て満5年が経過した。外部から学院を眺めると,のんびり勉強ができてうらやましいと思われるらしいが,実にさまざまな仕事があるものである。考えてみると,20〜50人の学生がいれば彼女たち1人1人の人生があり,生活がある。悩みもいろいろあり,その人たちが出たりはいったりすれば,必然的に業務内容は変化に富むものになり,そこでわれわれはいながらにして,彼女たちから人生について勉強させてもらっているわけである。
毎年卒業前になれば,心を悩ますことに就職の問題がある。特に最大の問題は市町村保健婦の希望者が少ないことである。そのなかでも,県の北部に位置する山陰側の市町村の希望者が少ないことである。ちなみに昭和35年度から45年度までの卒業生就職状況をみると,卒業生189名のうち市町村就職者数24名で,毎年約2名が就職しているにすぎない。それではなぜ市町村保健婦を希望しないのだろうか。
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