総説
医学研究における個人情報の保護と利活用
古田 淳一
1
1筑波大学医学医療系医療情報マネジメント学
キーワード:
個人情報
,
個人情報保護法
,
研究倫理指針
Keyword:
個人情報
,
個人情報保護法
,
研究倫理指針
pp.303-311
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000000929
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医学研究においては,ヒト由来の情報を用いる ことが必要不可欠である.その多くの場合では, 特定の個人を識別することができる情報を取り扱 うこととなり,その特定の個人の健康状態などそ の取り扱いに特別な配慮が必要である.さらに観 察研究では,研究対象者から研究についてのイン フォームド・コンセントを受ける代わりに,オプ トアウト(通知または公開と拒否権の保障)が同意 手続きとして実施されることもしばしばである. 2017年に「個人情報の保護に関する法律」(個人 情報保護法:以下,個情法)が改正施行された際に, 医学研究に関する倫理指針も改正され,医学研究 における個人情報の取り扱いや同意手続きが改め て注目された.本稿では,法令や行政指針を遵守 し社会に受容されるかたちで研究を実施するため に必要な,医学研究における個人情報の保護と利 活用についての基本的な枠組みを解説する.(「はじめに」より)
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