連載 衛生行政キーワード・6
医学研究に係る個人情報保護
迫井 正深
1
1厚生労働省大臣官房厚生科学課
pp.243-245
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100055
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概要
個人情報の保護など,医学研究に関する倫理面の取り扱いについては,その研究分野に応じた4つの指針により規定されている[①ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針,②遺伝子治療臨床研究に関する指針,③疫学研究に関する倫理指針,④臨床研究に関する倫理指針;以下,研究指針(表1)].従前からこれらの研究指針では,インフォームド・コンセントの取得,研究者等の守秘義務,など個人情報を保護するための措置が規定されていた.
しかし,平成15年に成立し,本年4月全面施行予定の「個人情報の保護に関する法律」(以下,個人情報保護法)とこれらの研究指針の比較では,研究指針に足りない部分や,研究指針において個人情報保護法の規定よりもむしろ手厚く措置すべき部分があったことから,個人情報保護法全面施行に合わせて研究指針の見直しが平成16年12月に行われた(表2).なお,施行は個人情報保護法に合わせて平成17年の4月となっている.
個人情報保護法成立時に検討課題とされた医学研究における個人情報の取り扱いに関する法制化(現行は強制力のない「指針」)については,当面,指針の見直しと指針の実効性を担保するための措置にとどめられ,法制化は見送られた.
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