特集 患者と医療者が満足できる療養環境を構築するために
【座談会】療養環境のグランドデザイン
前田 久美子
1,5
,
和田 ちひろ
2,6
,
中山 茂樹
3
,
川合 榮子
4
1日本赤十字社東京都支部事務局
2NPO法人ヘルスケア・リレーションズ
3千葉大学工学部
4東京北社会保険病院
5前大森赤十字病院
6東京大学医療政策人材育成養成講座
pp.794-801
発行日 2005年10月10日
Published Date 2005/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100231
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前田 私はこの4月まで大森赤十字病院の看護部長として看護管理をしてまいりました。患者のニーズの多様化,医療の高度化に伴い,特に安全面に配慮しつつ,どうしたら質の高い医療や看護を提供できるかと努力をしてまいりました。患者の療養環境についてはこれまで,安全,プライバシーの保護,快適さという点からさまざまな工夫をしてきました。しかし私が所属していた大森赤十字病院は設立から50年経ち,設備の老朽化が進む狭隘な環境で,工夫をするにも限界がありました。そこで,かねてから懸案の病院改築の話が具体化してきました。改築にあたっては,これからは看護を中心にした病院があってもいいのではないかという,病院や日本赤十字社東京都支部上層部の意向で,4月から病院改築担当として事務系スタッフとともに,改築計画を進めています。
患者,医療者ともに満足できる環境が整った病院づくりをめざすのはもちろんですが,限られた空間のなかでのことなので制約条件が出てきます。その中でいかに理想的な療養環境を構築していけるかということが課題です。今日はこれについて,皆さんと議論していきたいと思います。
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