連載 事例と判例で考える病院の看護水準と事故防止・8
ベッドにまつわる事故
中村 春菜
1
1東京海上日動メディカルサービス(株)
pp.682-687
発行日 2005年8月10日
Published Date 2005/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100226
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はじめに
昨年11月,ベッド柵のすき間に首が挟まれ患者が死亡するという事故が報道された。ベッドは患者にとって治療や休息の場所であり,そこで多くの時間を過ごすため,安全な場所でなければならない。しかし,ベッドにまつわる事故は後を絶たない。米国のFDA(米国食品・医薬品管理局)には,1985~1999年の間にベッドにまつわる事故(柵付きのベッドに挟まれる,巻き込まれる,締め付けられる)が371事例報告されている。その61%にあたる228事例が死亡事故であった1)。
今回はベッドにまつわる事故事例を通して,ベッドを使用する際の注意点やベッドの潜在的な危険性について考察する。
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