連載 医学ジャーナルで世界を読む・3
医療事故と交通事故の疫学研究
坪野 吉孝
1
1東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野
pp.170-171
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100831
- 有料閲覧
- 文献概要
東北大学医学部では,臨床講義が終わって病棟実習に入る直前の4年生を対象とする「EBMワークショップ」を,今年度から始めた.この1~2月にかけて,週1日,全5回で行っている.毎回,次のようなテーマを設けている.
第1回 エビデンスとは(臨床問題の定式化と文献検索)
第2回 よい研究,わるい研究(研究デザイン)
第3回 よいRCT,わるいRCT(RCTの吟味とメタアナリシス)
第4回 よい検査,わるい検査(検査に関する研究の吟味)
第5回 よい予防,わるい予防(観察研究と介入研究)
朝から夕方まで1日かけて,全体講義,ワークシートを使った自習,15名程度の小グループに分かれての討論を行う.教材の作成や全体講義は公衆衛生学教室の教官らが行い,グループ討論には教室の大学院生や研究生もチューターとして参加する.今年度からの新しい取り組みのため,試行錯誤をしながら進めている.何をどこまでどのように教えるか,スタッフ間で激しい議論になることも多い.学生の反応はおおむね良いようだ.ただし,「寝坊しました」と昼過ぎに堂々と現れる大胆な輩も,いないわけではない.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.