特集 バランスト・スコアカードで看護部組織を変革する
聖路加国際病院におけるバランスト・スコアカードの導入―マネジメントシステムの視点から
佐藤 エキ子
1
1聖路加国際病院・看護部
pp.357-363
発行日 2005年5月10日
Published Date 2005/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100159
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はじめに
聖路加国際病院(以下,当院)は,2004(平成16)年度から病院の単年度事業計画は,バランスト・スコアカード(BSC)を用いて策定するという試みを始めた。それまでは,年度初めに病院トップから所感としてビジョンと事業計画が示され,それに基づいて各部門が目標を設定していた。例えば,看護部の場合,病院の事業計画に基づいて,ナースマネジャー会(師長会)にて,その年度の「看護部目標」を立案,その目標に沿って各部署で具体的な目標を設定するというシステムになっていた。しかし,病院のビジョンと事業計画が現場スタッフのすみずみにまで浸透していたかと言えば,必ずしもそうではない面があった。すなわち,事業計画の中心とされる「枠組み」が明文化されていなかったこともあり,職員一人ひとりにまで理解してもらうには,困難があった。
そこで,当院では2004年度の事業計画の策定にBSCをツールとして活用し,院内職員全員に,病院側が何をどう考え,どのようにしたいか,ということを分かりやすく発信し,職員全員で事業計画に取り組むという経営管理システムの構築を試みることになった。
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