新連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・1
見落とされるもう一人の子―『おにいちゃんがいてよかった』
柳田 邦男
1
1作家
pp.298-299
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100147
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心が砂漠のように乾ききった昨今の日本の大人たちに向かって,「大人こそ絵本を」「絵本は人生に3度」というキャッチフレーズのキャンペーンを始めて6年になる。ラジオや新聞・雑誌や講演で語りかける機会を与えられることが多いので,反響が大きく,これまでいただいた読者や聴取者からの手紙やファックスや講演後のアンケート回答は,全部で約4000通に上る。
そうした反響が語っているのは,絵本の可能性の広さと深さであり,絵本の力は1人の人間の人生さえも変え得るほど大きく,暗く落ちこんでいた心を絵本によって癒され今日を生きる力を取り戻したという人も少なくないという事実だ。
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