Japanese
English
Bedside Teaching
肺結核を見落とさないために
Prevention of Delay in Diagnosis of Pulmonary Tuberculosis
鈴木 克洋
1
Katsuhiro Suzuki
1
1国立病院機構近畿中央胸部疾患センター,臨床研究センター感染症研究部
1NHO Kinki-chuo Chest Medical Center
pp.63-69
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100145
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はじめに
結核罹患率の低下に伴い,医療従事者の結核に対する関心は院内感染対策に絞られてきた.この点で臨床医に求められる最も重要な事項が,診断の遅れをなくすことであることは言うまでもない.一般病棟に肺炎として,喘息として,または高齢者の衰弱として入院していた患者が,後に喀痰塗抹(ガフキー)陽性結核と判明した場合,同室者や医療従事者の接触者検診に膨大なエネルギーを費やすことになる.
本稿では,一般臨床医が肺結核の診断の遅れをなくすための注意点を,当院に紹介されてくる症例をとおして概説する.注意点の理解に必要な結核の基礎知識と肺結核診断の基本プロセスについても述べる.
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