特集 プリセプターシップの光と影
管理者の役割と責任
プリセプターのストレス調査―プリセプター支援のあり方を考える
太田 祐子
1
1東京女子医科大学看護学部
pp.183-188
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100126
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はじめに
プリセプター制度とは,永井1)によれば「新卒新人看護師の能力開発を,上司に代わって先輩が,OJTの手法で実施する教育手法である」という注)。本来,新人教育の責任は師長などの管理職者がもつ。ただし,その実施を「プリセプター」とよばれる「先輩」に代行してもらう。しかし,この制度は歴史が浅く確立されたものとはいえない。上泉は,プリセプター制度に対して「さまざまな解釈」がされていることを指摘している2)。何年か経った今でも,私の耳には,「プリセプター制度採用」施設のさまざまな運用方法や解釈の違いなどが聞こえてくる。このように,プリセプター制度が曖昧な定義のまま実施されている場合は少なくないようだ。そうすると,プリセプターとしてみれば,どのような役割をとればよいのだろうか。
このように上司の代行をしつつも曖昧な役割のプリセプターだが,その心理的・社会的負担は小さくないと感じる。本稿では,先に筆者らが行なったプリセプターに対する調査結果3,4)から,プリセプターがどのようにストレスを感じているかを紹介し(次頁コラム参照。本稿内のデータはこの調査結果による),加えて得られた示唆を述べる。
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