特集 プリセプターシップの光と影
管理者の役割と責任
先輩ナースとしてのプリセプターへの支援
原 美鈴
1
1東京女子医科大学病院消化器病センター看護部
pp.180-182
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100125
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はじめに
プリセプターシップを支援する立場になったとき,プリセプターが心身ともに疲弊してしまう場面に出会った。なぜプリセプターに疲弊だけが残る結果となってしまったのかと非常に悲しく思い,同時にどう支援したらよいかと考えた。
プリセプターは日々の出来事を通して,緊張,期待,焦り,不安,迷い,喜び,楽しみなどさまざまな気持ちを感じている。これは,プリセプティとの関わりに影響されるが,同じように上司や他のスタッフとの関わりからも大きな影響を受けている。上司やスタッフから支援されていると感じる出来事があったときには肯定的な気持ちを感じ,役割に対する意欲は高まるが,葛藤や摩擦を生じたときには否定的な気持ちを強め,意欲が低下し,場合によっては離職を決断することもある。
そこでプリセプターを支援する際は,一人ひとりのプリセプターがそのとき感じている気持ちに敏感になり,受け止めていくこと,また過度な緊張や責任を生じないよう役割範囲を明確にすることを念頭に,プリセプターと関わっていった。また当部署はモジュール型プライマリナーシングを導入しているため,モジュール単位を活かし,チームごとと全体への支援とを並行して実施した。
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