連載 市場原理に揺れる米国のマグネットホスピタルで奮闘する看護師たち―メイヨーメディカルセンターでの研修でみたもの[4]
災害医療・救急医療に携わる看護職スペシャリスト
桜井 亜矢子
1
1群馬大学医学部保健学科看護学専攻
pp.50-55
発行日 2005年1月10日
Published Date 2005/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100105
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筆者は,3年間看護師として勤務した後,ルーマニアで2年間ボランティアとして援助活動を行なった。世界各地の紛争地域や自然災害などの被害地域を巡るなかで,災害や戦争を経験した人々への援助,特に看護師としての援助の重要性に気づき,看護学を学び直したいと,大学の保健学科看護学専攻に進学した。そんななか,メイヨークリニック(以下,メイヨー)で研修があることを知り,常に災害への脅威にさらされ,そして特に戦争に関しては,いま渦中にある米国の大病院で,人的・自然災害に対してどのような医療的取り組みがなされているのかを知りたいと思い,参加した。
マグネットホスピタルという評価を得ているメイヨーでは,救急・災害医療に対しても数え切れないほどの役割をもった人々が合理的なシステムの中で協働し,その中でも看護師たちは,自分たちの専門性を発揮し,また専門職としての誇りをもちながら職務に従事していた。日本では,阪神・淡路大震災以降,災害看護が脚光を浴び始めているものの,看護職が専門的にそういった領域で活躍していることがまだまだ少ないのが現状である。しかしながら,災害看護や救命・救急看護の今後の発展は早急に望まれており,今回,実際に目にしたメイヨーの看護師たちの活動がその一助になると思われるので,報告したい。
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