新連載 市場原理に揺れる米国のマグネットホスピタルで奮闘する看護師たち―メイヨーメディカルセンターでの研修でみたもの[1]
精神医療の現場で活躍する看護職スペシャリストとの出会い
古城門 靖子
1
1神戸大学医学部附属病院
pp.849-856
発行日 2004年10月10日
Published Date 2004/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100552
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連載をはじめるにあたって
昨年9月,私たちは米国における看護サービスの最高峰といわれるメイヨーメディカルセンターで,1か月にわたって研修に参加する機会を得た。この海外研修は,木村看護教育財団のいくつかある助成事業の1つとして,海外の看護の現場に直接触れることで,広い視野に立ち,看護を再考する機会にするようにとの期待が込められている。
実際,メイヨーでの体験は驚きの連続であったが,なかでも私たちがもっとも感銘を受けたのは,日本では考えられないほど大勢の看護職のスペシャリストの存在と,それぞれが他職種と協働しながら,世界一の看護を目指して活躍している姿であった。その一方で,彼女たちの活動を通して,決して輝かしいばかりではない米国医療の側面が見られたことも,本を読んだだけでは得られない貴重な体験となった。
そこで,そうした状況のなかで奮闘している看護師たちの姿を,私たちの目に映ったまま,できるだけリアルに伝えたいと思う。そこには,米国医療の光と影が入り混じっていた。そのなかから,日本の看護の今後の方向性が見えてくるのではないかと思うのだ。
なお,今回研修に参加した6人は,それぞれ専門分野が異なり,おのおのの研修目的に沿ったプログラムを選んで参加したので,当然ながら体験したことも異なる。そこで,これから6回に分けて以下に記したような内容で,私たちの研修体験を紹介したい。
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