焦点 臨床看護に関する研究の動向と今後の課題(Ⅴ)—20世紀から21世紀に向けて
臨床看護技術研究の意義と今後の課題
川島 みどり
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.367-374
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900631
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はじめに
臨床において看護婦は,対象に最も適した技術を提供したいと願う。したがって,「もっとよい方法はないか,これがこの人にとって最適のケアになっているだろうか」と問いながら実践し,従来の方法の改善を図ろうとする。よりよい方法を探索するために,日常的なカンファレンスに臨んで話題を提供し,相互に工夫をこらし,旧来の手順を見直したりする。さらに,現在行なっている方法の有効性を実証し,より安全で確実な方法に精錬したいと研究に取り組みもする。
このように,臨床看護婦の主たる関心は,自ら行なっている看護そのもののありように向き,したがって臨床看護研究の成果は,サービス改善につながる有用性に直結しているといってもよく,科学的な真理探究にアプローチする研究とは,意図も目的も異なっているといえよう。その意味からも技術研究は,問題解決志向とみる向きもないではない。そこで,臨床,特に看護技術研究についての共通理解を図り,看護技術研究の意味を問うとともに,今後の課題についても考えてみたいと思う。
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